芦屋市の高級住宅地で進む変化:外国人による不動産購入と新たな課題
兵庫県芦屋市、日本屈指の高級住宅地として知られるこの街で、近年、外国人による不動産購入が活発化しています。円安や日本の経済状況を背景に、特に中国の富裕層が芦屋の土地や建物に注目。伝統的な高級住宅街「六麓荘」に加え、海辺の新しい街「涼風町」でもその動きが顕著になっています。
日本屈指の高級住宅地「六麓荘」の現状
芦屋市にある「六麓荘」は、その資産価値の高さから日本でも有数の高級住宅地として知られています。しかし、高額な相続税がネックとなり、受け継ぐはずの日本人富裕層が土地を手放すケースも少なくありません。
この状況に目をつけたのが、投資目的などで不動産を買い求める外国人、特に中国人です。不動産業者によると、六麓荘では中古・新築を問わず投機的な売買も見られ、7億5000万円で購入した物件が12億円で転売されるといった高額取引の事例も報告されています。
近年人気の「涼風町」:風水的な魅力とは?
六麓荘だけでなく、今、価格が急上昇しているのが芦屋市内で最も海側に位置する「涼風町」です。20年ほど前から住宅が建ち始めた新しい街で、かつては高潮リスクなどで人気が下がる傾向にあった地域ですが、近年中国の人々に人気を集めています。
人気の理由の一つは「風水的に絶好の土地」と見られている点です。海が見え、山を望む景観が中国の文化で縁起が良いとされ、オーシャンビューの物件は特に好まれます。また、「為替の関係で日本がすごく安い」「ごはんもおいしいし、街もきれいだし、治安もいい」といった日本の魅力も、移住の大きな動機となっているようです。実際に香港から移住された方は、1.5億円で購入した自宅からヨットハーバーの絶景を楽しみ、「日本の環境、教育、食事、景色、そして何より人がとても良い」と語っています。
外国人移住増加に伴う課題:ゴミ出しなどマナーの問題
しかし、海外からの移住者が増える一方で、生活習慣の違いからマナーに関する問題も浮上しています。特に問題となっているのがゴミの出し方です。ゴミ集積所には中国語で注意書きが貼られているものの、ルールを守らないゴミ出しやポイ捨てが見られ、住民からは「街が汚れている」といった声も上がっています。
こうした状況に対し、芦屋市国際文化推進室は「多言語でチラシを作成するなど対応している。多様性を享受する街づくりを目指したい」とコメントしています。
専門家の見解と今後の展望
北星学園大学の足立清人教授は、外国人による不動産取引が「原則自由」である現状について、「日本の国土をどう組み立てるか、日本の法制自体が無頓着だったのではないか」と指摘しています。
日本社会は今後、外国人との共生が不可欠となる中で、言葉の壁を超え、誰もがルールを共有できるような制度設計が求められています。芦屋市が直面するこの課題は、日本全体の多様性を受け入れ、持続可能な社会を築く上での重要な一歩となるでしょう。
(この情報は関西テレビ「newsランナー」2026年5月11日放送の内容を基に作成しています。)