暮らしを支える水インフラに転換期 西宮市が料金改定の検討へ
西宮市において、毎日の生活に欠かせない水道料金および下水道使用料の改定に向けた検討が進められています。現在の料金体系は、水道料金が2016年から約10年間、下水道使用料に至っては2000年から約26年もの長きにわたり維持されてきました。しかし、社会状況の変化やインフラ設備の老朽化を受け、経営環境が急速に厳しさを増しています。
改定が検討される背景と収支見通し
料金改定の検討に至った背景には、人口減少や家庭・企業での節水機器普及に伴う使用水量の減少が挙げられます。これによる料金収入の減少に加え、近年の物価高騰や企業債金利の上昇が、施設の修繕・維持管理コストを押し上げています。
さらに、高度経済成長期などに整備された管渠や設備の老朽化が進んでおり、今後は法定耐用年数を超える設備が急増する見込みです。地震などの自然災害に備えた耐震化工事も急務となっており、多額の更新費用が必要とされています。
市の試算によると、下水道事業は2025年度以降すでに収益的収支が赤字へ転じており、2026年度には安全な事業運営に最低限必要とされる資金残高(20億円)を下回る見込みです。このため、市は2027年度の下水道使用料改定が必要不可欠としています。一方、水道事業についても2026年度以降に収支が赤字化し、2029年度には必要資金残高(15億円)を割り込む試算となっており、2029年度の料金改定が見込まれています。
今後の議論の行方と市民生活への影響
下水道使用料については、西宮市上下水道事業審議会において適正な使用料のあり方や料金体系の見直しに関する具体的な審議が進められています。市は今後も議論の経過を随時公表していく方針です。
蛇口をひねれば清潔な水が出て、使った水が安全に処理される環境は、私たちの安心な暮らしの基盤です。将来世代にわたって安全なインフラを維持し続けるための設備投資と、日々の家計負担とのバランスをどう取っていくのか、今後の動向をしっかりと見守っていきたいですね。